100年古民家 淡輪山荘は御手洗まで大正迎賓館の風格

さすが100年古民家!淡輪山荘は御手洗まで大正迎賓館の意匠を凝らしている

淡輪山荘は100年古民家だけあって、御手洗いもレトロな汲み取り式。いくら「当時のままが歴史を感じさせていい」と言っても、このままでは現代にそぐわない。リノベーションで変える場所なのですが。
しかしじっくりその造りをみると、大正迎賓館の意匠が凝らされ、風格すら感じさせられます。まずランプシェードが花の蕾を思わせる形。天井は竿縁天井(さおぶちてんじょう)。出入りの戸には黒竹の意匠が施され、元の所有者 竹中源助氏にちなんで、各所に「竹」を効果的に配しています。

そもそも昔は御手洗いをいろいろな名称で呼んでいました。ざっと上げれば、1)厠(かわや)2)ご不浄(ごふじょう)3)憚(はばかり)4)後架(こうか) 5)閑所(かんじょ)6)雪隠(せっちん)7)東司(とうす)。さしずめこの屋敷の端に配置されたこの場所は「閑所」でしょうか。そんな優雅な呼称がぴったりです。御手洗い一つをとっても、富豪の数寄が感じさせられる空間です。この風情をできるだけ残しつつ改修を進めていきたいと思います。